ポンサラBLOG

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筋肉記憶 マッスルメモリーの正体とは!?

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筋トレをしている方なら誰しもが聞いたことがある「筋肉記憶(マッスルメモリー)」

 

みなさんはこの正体について考えたことがありますか?

 

記憶といえば脳における記憶が一般的ですが、筋肉にも記憶があるとしたら・・・

 

筋肉が記憶するの!?と意外に思う方もいるかもしれません。

 

筋肉記憶とは筋トレによって大きくなった筋肉が、筋トレをやめてしぼんだ後でも筋トレを再開すれば元の筋肉量に戻るまでの期間が短く、早期に元の状態まで戻るというもの。

 

元の筋肉の大きさを筋肉が記憶しているということですね。

 

体を鍛えることに熱中している人を脳筋なんていう言葉で表したりしますが、ほんとうに筋肉も脳みたいに記憶するのでしょうか・・・。

 

今回は筋肉が記憶するメカニズムを文献を元に科学的にわかりやすくご紹介します!

Journal of Experimental Biology (2016) 219, 235-242 doi:10.1242/jeb.124495

 

 

 

目次

 

 

 

筋トレなどの筋肉にダメージを与えるような行動をすると、筋肉が損傷しその損傷を修復する際に筋肉をより強く修復することで筋肉が肥大化していく

 

ということはみなさんご存知かと思います。

 

それでは、筋肉はどのようなメカニズムで肥大化していくのでしょうか?

 

筋肉の構造からご説明していきますね。

 

 

 

◇筋肉の構造

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筋肉には2種類あり、内臓を作る平滑筋骨格を支える骨格筋に大分されます。

 

このうち、筋トレにより鍛えられる筋肉は骨格筋で、筋肉記憶を考える上で重要になるのもこの骨格筋ということになります。

 

今回は骨格筋に着目して話を進めていきますね。

 

そしてこの骨格筋を構成するのが、筋繊維と呼ばれる筋細胞で、この筋細胞が束になってできるのが骨格筋です。

 

通常の細胞が1つの核しか持たない単核細胞であるのに対して、筋細胞は多くの核を持つ多核細胞であることが筋細胞の特徴です。

 

目に見える筋肉>骨格筋>筋細胞

 

というイメージです。

 

 

 

◇筋肉が大きくなる仕組み

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筋肉の肥大は、一つ一つの筋細胞が増大する場合筋細胞自身が増える場合の2パターンがあります。

 

◆一つ一つの筋細胞が増大する場合

筋肉が多くのタンパク質で構成されていることはみなさんご存知かと思います。

 

そのことからも推測できるように筋細胞が大きくなるには、タンパク質を合成し細胞基質(細胞の大きさをつくる)を大きくする必要があります。

 

タンパク質の合成は核からのRNAとよばれる信号によって行われているため、筋肉の肥大量(タンパク質合成量)を単純な計算式で表すと、

 

筋肉の肥大量=筋肉細胞の核の数×核のタンパク質生産能力

 

ということになります。

 

◆筋細胞自身が増える場合

筋肉が損傷を受けると、タンパク質を合成して筋肥大しようとしますが、それでも追いつかない場合、筋細胞に接着している衛星細胞と呼ばれる細胞が分裂して、筋細胞に分化(変身するイメージ)します

 

これによって筋細胞自体の数を増やすことができます。

 

筋細胞の数が増えるというのは核の数も増えるということであり、上記の計算式に当てはめると、筋肉の増加量は大きくなります。

 

これが筋肉をさらに肥大化させる仕組みとなります。

 

ある程度無理をして筋肉を痛めつける必要があることがわかりますね!

 

 

 

◇筋肉が小さくなる仕組み

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それでは筋肉が小さくなる仕組みはどうなっているでしょうか?

 

筋肉が大きくなるには2つの仕組みがあるのに対して、小さくなる際には一つの仕組みが働いています。

 

筋肉の縮小は細胞基質の縮小によって引き起こされます

 

ここまで知ると感の良い方はお分かりになったかと思います。

 

筋細胞の数は減らず、核の数自体は減らないのです

 

 

 

◇細胞記憶(マッスルメモリー)のメカニズム

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上記の筋肉の肥大と縮小のメカニズムがわかったところで、筋肉記憶のメカニズムをご紹介します。

 

筋トレによって筋肉を大きくした際には筋細胞が増加し、核の数も増加します。その後、筋トレをやめて筋肉が小さくなったとしても筋細胞の数(核の数)は減少しません。

 

つまり、筋トレを再開した際には元の大きな筋肉と同量の核が存在しているため、筋肉の増加量が大きく、短時間で元の筋肉量の戻すことができるというわけです。

 

これが筋肉記憶(マッスルメモリー)の科学的メカニズムになります。

 

 

 

◇筋肉記憶(マッスルメモリー)はどのくらいの期間有効?

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人間において全身の核の寿命は平均して15年と言われており、寿命が24時間ほどとかなり短い腸内の上皮細胞などを除けば、筋肉細胞の核の寿命は15年以上となり、かなり長期間の間筋肉記憶は持続できると言われています。

 

したがって、一度形成された筋細胞はそう簡単には消失しないため、大学生時代に筋トレを頻繁に行っていた方が、40歳付近になってぶよぶよの肉体を改造すべく、再び筋トレを再開した場合にも大学生時代の筋トレの恩恵を受け、早期にもとのマッチョに状態に戻すができるんですね!

 

僕自身大学時代に筋トレを熱心にしていたため、最近始めた筋トレである程度まではすぐに筋肉をつけることができました。

 

まさか筋肉記憶が関係していたとは思いもしませんでしたねー

 

 

 

◇筋肉記憶(マッスルメモリー)の効果はどの程度?

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筋肉記憶の威力がどの程度のものかを調べた研究でマウスを使った研究があります。

 

その研究の結果としては、筋肉記憶をしたマウスはそうでないマウスと比較して筋肉の増加速度が約6倍であったそうです。

 

つまり大学生時代に1年間かけて大きくした筋肉は、40歳になってガリガリになたとしても、2ヶ月ほどの筋トレで元の状態に戻せるという計算になります。

 

筋肉記憶の効果の高さには驚かされます!

 

 

 

◇ドーピングについての見直し

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ドーピングによく使用されるステロイドは筋肉細胞の核の数を増やす効果が知られています。

 

これにより、急速に筋肉を肥大化させることができ、スポーツにおいて優位な体づくりをすることができます。

 

そのため、ドーピングをすることはスポーツにおいては禁止されており、これに違反した場合には2年または4年間の試合出場停止だけでなく、練習やそのスポーツに関わることに関しても禁止されます。

 

しかし、筋肉記憶のメカニズムを考えると、一度でもドーピングをしたことがある場合、4年が経過してから現役復帰した場合、元のドーピング状態の恩恵を受けることができるため、今後はドーピングした選手には永久に現役復帰できないという厳しい罰すら考える必要があることになります。

 

 

 

◇まとめ

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いかがでしたでしょうか?

 

筋肉記憶についてはかなり怪しいなと思っていましたが、よくよく調べてみると科学的にもかなり妥当な仕組みであることがわかりました。

 

筋肉記憶に重要な細胞の増加は、若いうちに活発に行われ、老化に伴ってその能力は低下していくため、できるだけ早い段階で筋肉記憶をつけておくことをお勧めします!

 

明日からと言わず今日から筋トレを始めましょう!

 

僕自身について言えば、脳の記憶よりも筋肉記憶の方が優秀な気すらしてきました・・・泣

 

ではまた!