【最新知見】ストレスがもたらす睡眠不足とその解決の糸口
ストレスが私たちの心身に悪影響を及ぼすことはみなさんよくご存知ですよね?
多くの人はストレスを受けないようにどうすればいいか考える際に、予防策的な対処法を考えることが多いかと思います。
しかし、現代社会とりわけ日本においては会社からの指示は絶対である場合が多く、理不尽なことにも泣く泣く了承し、結局ストレスを回避できないなんてことがほとんどではないかと思います。
またストレスは目に見えるものではなく、気付いた時にはストレスが心身に重大な悪影響を及ぼしてしまっているなんていうことも当たり前にあるわけです。
そうなっては再起するのは難しく、また時間もかかってしまいます。
そこで今回はストレスに対する予防的な考え方ではなく、ストレスを自覚しストレスを溜め込まないようにするための方法をストレスによる悪影響と共にご紹介したいと思います。
目次
ストレスによる心身への影響
ストレスによる既日(がいじつ)リズムへの影響
既日リズムとは?
既日リズムをご存知でしょうか?わかりやすい言葉で言うと体内時計ですね。
海外旅行に行った際に時差ボケが起きたりしますが、これは既日リズムが乱れている状態です。
既日リズムは人間をはじめ動物から植物までありとあらゆる生物が持っている生体機能で、昼夜における明暗を体が感知して起きるホルモンの分泌などの生理的な現象によるものです。
昼になると活発になり、夜になると睡眠をとるという生活サイクルを私たちは当たり前に行なっていますが、これは体内の生理現象に由来しているんですね。
ストレスを感じることでホルモン分泌などに影響を及ぼし、既日リズムに悪影響が及ぶというふうに言われています。
既日リズムと精神的障害との関係
最近の研究では、既日リズムと双極性障害との相関性もわかってきています。
双極性障害は躁うつ病などとも言われていおり、気分の浮き沈みが通常より大きくなってしまうという症状が有名です。
また双極性障害を持っている方は細かいミスが多いことで悩まれてる方も多く、ミスを治すためにメタ認知力を高め、自身のことをよく知っていくと自分は双極性障害かも?と考えつく方も多いはず。
この双極性障害が既日リズムとも関係している可能性が高いようで、既日リズムの適正化によって症状緩和に繋がる可能性も考えられます。
ストレスが既日リズムの乱れを引き起こす
既日リズムの乱れは海外旅行による時差ボケや一時の不安など短期的なストレスに関わらず、日々のストレスの蓄積によっても引き起こされるとロックフェラー大学のマキューエン氏は言います。
このような慢性的なストレスによる心身への悪影響をアロスタティック負荷といい、アロスタティック負荷がある一定を超えた時に睡眠にも影響を与えると指摘しています。
本来、人間をはじめ自然界の生物は未来のことといった不確定なことを考える暇はなく、今この瞬間を生きるために狩猟をしたり、水を探したり、天敵から逃げ回っていました。
しかし現代の人間社会においては衣食住の心配をすることはほとんど無くなっており、その代わりに登場したのが慢性的なストレスです。
大昔のストレスが食事や水が満足にとれないなどといった生存欲求的なものであったのに対して、現代のストレスは
上司からの指摘が辛い
仕事が終わらず残業ばかりで休む暇もない
得意先からのクレームが止まない
などといった今後数年、数十年と続くであろう慢性的なストレスなのです。そしてこの慢性的なストレスはメラトニンの産生に影響を及ぼします。
人は睡眠によってストレスや身体の疲れをフラットな状態に戻します。松果体が睡眠を促す作用のあるメラトニンを放出し、これが既日リズムを調節しているといわれています。
メラトニンは夜に生産量が増し、昼にはその生産が抑制されます。暗くなると眠たくなるのはメラトニンが生産されることによるんですね。
しかし、夜更かしをよくする人などは昼にメラトニンの生産抑制がうまく機能せず、夜になってもメラトニンの分泌がうまく行えないために不眠症になってしまいます。
このような症状が慢性的なストレスによっても引き起こされる可能性があります。
ストレスによって睡眠不足になり、睡眠不足によってストレス緩和ができなくなる・・・まさに負のループという感じです。
ストレスがもたらす生理的悪影響
メラトニンが日中に生産が抑制される一方で、日中に大量生産されるものもあります。それがコルチゾールです。
コルチゾールはストレスを受けた際に放出されるいわゆるストレスホルモンで、夜間にはその生産は抑制され、翌日にはフラットに戻っているのが正常です。
しかし、慢性的なストレスを受け、アロスタティック負荷が一定以上になると、夜間のコルチゾール産生量が低下することなく放出され続けるため、悪影響を及ぼします。
コリチゾールの分泌異常による悪影響としては不妊や免疫力低下、肥満といった生理的悪影響も知られており、ストレスが身体に悪影響を与えるということは化学的にも妥当というわけです。
よくストレスが溜まって太ったと言いますが、これはコルチゾールの増加によるものなんですね。
私も半年前まではかなり体重増加中でした笑
さらに、コルチゾールは記憶を司る脳の部位である海馬とも深く関わっており、コルチゾールが過剰分泌されると海馬における細胞分裂を抑制するため、記憶力への影響も考えられます。
その他にも慢性的なストレスは上記のような直接的な悪影響だけでなく、日常の行動の変化(暴飲暴食など)によっても間接的に悪影響を及ぼす可能性もあります。
食事が睡眠に与える影響も多く知られているので、暴飲暴食も睡眠に影響を与えそうです。
ストレスを認識し、溜め込まない
ストレスが私たちの心身に悪影響を及ぼすことはわかりました。
それではどのようにしてストレスと上手く付き合っていくことができるでしょうか?
まずは自身のストレスと向き合い、どのようなストレスを抱えているか自分で認識することが重要です。
瞑想(マインドフルネス)とメタ認知力
自身の抱えているストレスと向き合い、認識するためには冷静な目で客観的に自身を見つめ直す必要があります。
その方法として近年注目を集めているのが瞑想(マインドフルネス)です。
瞑想というとなんとなく宗教的というかスピリチュアルというかそういうイメージを持つ方が多いと思いますが、こういった人の心の弱さを利用した金稼ぎ的なイメージとは全然違います。
瞑想は日本でいうと禅という形で古くから真理を追求する学問として仏教僧を中心に熱心に取り組まれてきました。坐禅というとみなさんもよくご存知だと思います。
物事の真理を追求するというのは、人の思考や物の見方に寄らず普遍的なものが何かということを追求するということ、私感は除いて客観的に見極めるということです。
つまり、自身の現在置かれている状況を認識する(メタ認知力)というのは、他の雑念を全て取っ払って客観的に自身を見ることであり、禅の考え方に通ずることから、禅の基本である瞑想をするということはメタ認知力を強化することに繋がるわけです。
メタ認知力を鍛えることが、自身の置かれている状況、感情を認識、コントロールスルことに繋がり、結果としてストレスを認識し、コントロールすることに繋がるというわけです。
またストレスの根源を認識する力も付くので、どうすればその根源を断つことができるのかその方法を考えることもできます。
ストレスの根源が社内の業務システムなのであれば、有効な業務改善案を提出し、仕事としても評価されるかもしれません。
メタ認知力の強化は、自身の問題解決だけでなく周りの環境の問題解決にも大きなメリットを発揮します。
私が読んだ禅にまつわる入門書をご紹介しておきます。
やや学問的でとっつきにくそうですが、禅の歴史や目的、坐禅の組み方など詳しく記載されているのでオススメです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
みなさんは自分が抱えているストレスがどういうものかどの程度のストレスなのか認識できていますか?
メタ認知力を高めることで、自身の抱えているストレスを認識、解決できるようになるだけでなく、組織の問題をも解決できるような力も付けることができたら素晴らしいですね。
ただし・・・
メタ認知力を高めると、誰がどう考えても理不尽な要求やルールも見えてくると思います。
どうしても解決できないような問題であれば逃げることも大切です。
ストレスは万病の元ですからね!
ではまた!