うなぎはスタミナ強化や夏バテに効くのか!?現実的にうなぎの有効性を評価
暑い夏になるとスーパーではうなぎがよく売っていますね。
うなぎはスタミナを付けたり、滋養強壮効果があったり、夏バテに効くと巷では言われておりますが、果たしてその効果はいかほどのものなのか!?
僕自身気になったので、調べてみました。
目次
うなぎはスタミナ強化、夏バテに効くのか?
うなぎに含まれる成分やその効果、持続性や価格などなどいろいろ調べてみた結果、うなぎで夏を乗り切るのは無理です笑!
あまり断言するのは好きではありませんが、みなさんやはり答えを求めているでしょうからちょっと強引かもしれませんが、”無理です”と言っておきます。
その理由をこれからお話ししますね。
うなぎに含まれるスタミナ強化に効果的な栄養素は?
うなぎにはスタミナ強化に効果的と考えられる栄養素が多く含まれると言われています。
まずはその栄養素とその効果をご紹介していきます。
ビタミン類
いろんな記事を読んでいるとビタミンA(レチノール)とビタミンB(チアミンなど)が主に紹介されています。
それぞれ見ていきましょう
ビタミンA
ビタミンAは免疫力を高めるから重要といった内容をよく見かけますが、ビタミンAが不足した状態だと免疫力が落ちるという研究が多いものの、ビタミンAを多く摂取したから免疫が強化されるぜ!みたいな文献は見かけません。
成人男性(便宜的に男性に絞りました。あしからず。)に推奨される1日のビタミンA摂取量は約600μgです。
日本人の平均ビタミンA摂取量は動物性食品と植物性食品から合わせて約900μg/日であり、わざわざビタミンAの多い食品を選ぶ必要もないのかなと思います。
ちなみに食品に含まれるビタミンAの量はこんなかんじ・・・卵(80μg/個)、にんじん(720μg/100g)、ほうれん草(450μg/100g)、鳥レバー(14000μg/100g)などなど。
今回の主役うなぎのビタミンA含有量は・・・1500μg/100gでした!
(これらの値は生か過熱したかでも変わってくるので参考までに・・・)
ビタミンAに関しては気にしなくてもよさそうです。
ビタミンB
ビタミンBのほうがスタミナを付けるのに効果がありそうな記事が多いですね。
ビタミンBは13種類あると言われていますが、うなぎに豊富に含まれているのはビタミンB1とビタミンB2です。
これらの効果を見ていきましょう!
ビタミンB1は体内に吸収された後、いろーんな生合成(詳しくは書く気になれないので気になる方は専門家のサイトを検索して見てください)を受けて、糖代謝に用いられる酵素の補酵素となります。
つまり、ビタミンB1の欠乏状態は糖代謝の効率を下げる結果、エネルギー産生能力の低下を引き起こすというわけですね。
また、ビタミンB1は神経に対する働きも大きく、欠乏症として末梢神経の障害である脚気を引き起こすと言われています。
日本人の主食である米はビタミンB1の含有量が少なく、昔の人々はよく脚気に苦しんでいたそうですよ。
それではビタミンB1の必要量はどれほどの量なのでしょう?
成人男性の1日あたりの必要ビタミンB1量は1.4mgと言われています。
食品に含まれるビタミンB1の量はこんな感じです・・・豚肉(1.2mg/100g)、鯛(0.3mg/100g)、大豆(0.8mg/100g)、玄米(0.4mg/100g)などなど。
ちなみにうなぎの含有量は・・・0.75mg/100gです!
どうりで豚肉が夏バテに効くと言われるわけですね!世の中がいう夏バテに効く根拠はこのビタミンB1にあったわけか!
念のためビタミンB2についても調べておきましょう。
ビタミンB2もビタミンB1同様補酵素としての働きが知られているようです。糖代謝や脂質代謝に関わる酵素の補酵素ということで、こちらも不足状態になるとエネルギー効率が悪くなってしまいそうですね。
それでは1日に推奨される摂取量はどの程度でしょうか?
成人男性の1日あたりの必要ビタミンB2量は1.6mgと言われています。
食品に含まれるビタミンB2の量はこんな感じです・・・豚レバー(3.8mg/100g)、ぶり(0.36mg/100g)、牛乳(0.3mg/100g)、納豆(0.3mg/100g)などなど。
ちなみにうなぎの含有量は・・・0.7mg/100g。
うなぎはやっぱりビタミンB群の含有量が高いんですね!うなぎが夏バテに効くという根拠はここにあったんですね。
亜鉛
みなさん亜鉛は精力増強に効く!って聞いたことありませんか?
精力増強剤にはこの亜鉛がよく含有されていますね。僕は使ったことありませんが。
この効果を聞いただけでもスタミナが付きそうですが、果たしてうなぎによる亜鉛摂取は効果的なんでしょうか?
亜鉛の体内での役割は主に、アミノ酸からタンパク質の合成の際に利用される他、DNAの合成にも利用されるため成長にはとても大事なミネラルと言えます。
筋トレなどの効果を増大させるのには効果的なので、僕自身亜鉛のサプリを飲んでいたりします(効果があるかはイマイチわかっていませんが笑)。
この亜鉛の役割を見た感じスタミナとか滋養強壮とかとは無縁なように感じますが、他にどのような役割があるのでしょうか?
・・・
調べてみましたがよくわかりませんでした笑
恐らく、亜鉛を摂取することで男性ホルモンの産生量が増えるとか、その結果活力がみなぎってスタミナ回復!みたいな理由で亜鉛が夏バテに効くみたいに言われているのかなと思っています笑
その他成分
うなぎには上記の成分の他にもビタミンDやE、DHAやEPAといった体に良い栄養素が多く含まれていますが、これらはスタミナや夏バテ回復には効果はなさそうなので、触れないでおきます。
トータルでうなぎについて考える
うなぎには確かにエネルギー産生に重要な栄養素が豊富に含まれていることがわかりましたが、果たしてうなぎで夏バテ予防は現実的に見て有効なのか・・・。
夏バテに最も効きそうなビタミンB1やビタミンB2に絞って考えて見ました。
ビタミンBは豚肉に多く含まれていることは上記で述べた通りです。
そして、豚肉、うなぎで同じだけビタミンBを摂取しようと思うと豚肉100gに対してうなぎは160g食べないといけません。
豚肉100gの値段はだいたい250円。うなぎ160gの値段は安くても1000円。
値段で見たらぜっっっっったいに豚肉の方が効率よく夏バテに効かせられる!
そしてこの効果というのは、うなぎを1回食べたからといって1週間スタミナつきます!みたいにはならないので、本当に夏バテを考えるのなら豚肉などの低価格で夏バテに効きそうなものをコンスタントに食べるのが良さそうです。
まとめ
うなぎは確かに豊富な栄養素を含んだ優秀な食材ではありますが、スタミナをつけるとか夏バテに効くとかいう意味ではあまり現実的ではないですね。
暑い夏の風物詩として楽しむのが良いのかなと思います。
お正月にはおせちを食べて、節分には恵方巻きを食べ、暑い夏にはうなぎを食べる・・・。
なんとも四季折々の日本らしい食文化ですね。
うなぎはおいしいから食べたいですが・・・
我々一般庶民の今晩の献立は豚肉料理で決まりですね!
今年の夏も頑張って乗り切りましょーーー
ではまた!