【ペット】猫アレルギーが予防できるかもしれない!?新しいキャットフードの研究
みなさんペットは飼っておられますか?
我が家には、愛犬、愛ヤモリ、愛魚、愛サンゴなどなどいろんなペットがいます。
そんなペットを飼っているご家庭での悩みの一つとして動物アレルギーがありますよね?
僕の家にも犬アレルギーの友人が遊びにきた際に、鼻水やくしゃみで辛そうにしているのを見ると申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
そんなペット飼育の天敵である動物アレルギーに救世主が現れそうなんです。
ペットフードメーカーのネスレ(ペット以外も取り扱っている大企業)のピュリナ(こちらはみなさんご存知ですよね)の研究チームが発表した研究結果で、
キャットフードに抗体を入れて猫に食べさせるとアレルギー物質の活性が低下し、アレルギー反応を呈しにくくなる
という内容の研究結果です!
それでは詳しく易しくみていきましょう。
目次
猫アレルギーについて
そもそも猫アレルギーってどういう原理で起きるのでしょう?
アレルギーとはアレルギー物質が体内に侵入してきた際に免疫系が過剰に反応して引き起こされる炎症反応などのことです。
有名なものには花粉症などがありますが、どんなアレルギー物質に反応するかは人それぞれです。
ちなみに僕は花粉症持ち。春先はマスクを手放せません。
猫アレルギーもこれらのアレルギー反応の一種で、猫に特有の物質に体が過剰に反応してしまうアレルギー反応です。
この猫特有のアレルギー物質はFel d1と呼ばれるタンパク質で、猫アレルギーの人の95%はこのタンパク質に反応していると言われてます。
Fel d1
補足として猫が持つアレルギー物質 "Fel d1" について少しご説明しますね。
Fel d1は猫の口の中(唾液中)やふけなどの表皮から検出されることが知られています。
Fel d1の生理的な役割についてはまだわかっていないそうですが、男性ホルモンであるテストステロンを投与するとFel d1の量が増えることがわかっており、オスの猫により多く見られるアレルギー物質だそうです。
抗体を利用してアレルギーを抑制してみた
それでは今回発表された実験結果をご紹介します。
本当に実現すれば、犬にも応用してもらいたい技術です!
エサに抗体を入れることでアレルギー物質の活性を抑制できた
今回の研究では、105匹の猫を対象に10週間の期間にわたってFel d1の抗体を混ぜた餌を与え続けて、体毛中の活性型のFel d1量を測定しました。
その結果、約47%の活性型Fel d1が減少することが明らかとなりました。
さらに、小規模な実験ではありますが、11人の猫アレルギー持ちの患者とこれらの猫を同じ部屋で過ごさせたところ鼻症状や目のかゆみなどが大きく軽減されたそうです。
猫アレルギーには酷な実験ですねー泣
それでは、今回のようなアレルギー反応の軽減が起きた原理もご説明しますね。
抗体を入れることでアレルギー物質がどのように活性を失うか
抗原、抗体について予備知識がない方のために、僕が作った下手くそな図を使ってご説明します笑
いかがでしょうか?このわかりやすい図!笑
この図に書いてある抗原というのが今回の主役であるFel d1のことですね。
この抗原が細胞表面にある受容体と結合することでアレルギー反応が誘発されます。
つまり、抗原の形を変えてあげれば受容体に結合できずアレルギーは起きない!というわけですね。
抗原の形を変えるといってもそんな目に見えないものの形を変えるなんてできるの?
この質問に答えられるよく使われる方法として、抗原抗体反応というものがあります。
今回の実験でもこの抗原抗体反応が使われています。
図の右上を見てください。抗原に変な形の棒がくっついていますよね?これによって抗原の形が変わって、受容体に結合できなくなるというわけです!
この状態を不活性型といっておきましょう。
エサに抗体を入れることで抗原を不活性化
今回の実験ではエサに抗体を入れて抗原を不活性化することができないかチャレンジしています。
前述のように唾液中にアレルギー物質であるFel d1が含まれるため、エサ中にFel d1の抗体を入れることでFel d1を不活性化しようという試みなわけです。
さらに、猫は自分の体を舐める習性があるので、この習性を利用して唾液中に含まれる抗体を体表にも付着させることができるんですね。
これはうまくいきそうだ!
まとめ
みなさんいかがでしたでしょうか?
これまで動物アレルギーに苦しんでいた方々には非常に明るいニュースでしたよね。
ペットはかわいいけど、動物アレルギーが心配という方が今後ペットを気軽に飼育できる日が来るかもしれませんね。
とはいえ、今回の研究はまだ完全ではなく、今後は抗体投与による副作用も詳しく調べる必要がありますし、
アレルギー物質を完全に不活性化できていないため、過度なアレルギー体質の方には効果がないのではないかとの指摘もあるため、実用化にはもう少し時間がかかりそうです。
それではまた!